「リスの森」と呼ばれる区域には25棟のコテージがある。ホテル本館の
フロントから各コテージまでは数百メートルの距離があり、車で送迎してもらえるが、コテージの玄関手前数十メートルは歩く必要があり、吹雪のときはちょっとした冒険気分を味わうことができる。穏やかな気候ならば荷物だけ配送してもらって空身で森を散策しながらコテージに到着すれば、それもまた素晴らしい思い出となるだろう。
各コテージは、
構造・間取り・内装から調度品にいたるまで、どの棟でもほとんど同一だと思われる。各コテージは小さな湖(トムトム湖)に面した南西向きの斜面に立地しており、山側の2階に玄関がある。2階はフィンランド産のシルバーパイン(立ち枯れた松材)を用いたログハウスである。一方、1階はおそらく鉄筋コンクリート造で、外観は石版貼り、内面は木板貼りとなっている。
玄関を入ると、右に
キッチンと1階に下りる
螺旋階段があり、奥がリビングとなる。
リビングの左側にはソファなどがしつらえられた空間があり、また、
リビングの右側には6名が着席できるダイニングテーブルがある。正面ドアの外には
トムトム湖に面した
ベランダがある。
写真中央の椅子は、
薪ストーブの前に座るために移動したもの。薪は室内に十分に
用意されており、ベランダにも
ストックがあった。薪は周辺の森の手入れで出たものらしく若干湿っていた。私はこのような焚き付けにはそれなりの経験と技術を有すると自負しているのだが、太い薪には本格的に火をいれることができなかったのは遺憾であった。
このようなコテージに滞在するのであれば食事はルームサービスとしたいものだ。私の場合、夜は食事を済ませてからの遅い到着(いわゆる片泊まり)で
ウェルカムプレートだけをテーブルでいただいたが、
朝食はデリバリーしていただいた。その内容はともかくとしても、悪天候の場合などは本館のレストランに出向かなくてもコテージで部屋着のままでゆっくりと食事ができるのはありがたい。聞けばこの日の宿泊客はホテル全体で私1人だけだったそうだ。オフシーズンにも良好なサービスを提供し続けていることに敬意を表したい。
階段を降りると、左右に2組の手洗いがある。玄関の階下に当たる
手洗いにはクローゼット等が配置され、またキッチンの階下に当たる
手洗いにはバスタブが付属する。リビングの階下は2室の寝室となっていて、左右対称の誂えである。各室2台、合計4台のベッドが備えられていて、家族連れには最適だ。寝室奥のドアからは1階の
テラスに出ることができ、やはり
トムトム湖が望まれる。2階ベランダを支える支柱は1階テラスにある高さ1mほどもある
土台で受けられている。積雪への対処かもしれないが、この土台はやや無骨な印象を与える。