ロープウェイ駅はこの写真のさらに右手前側(南側)にあり、ホテル
1階のロビー・売店に直結していて、宿泊客ででなくてもロープウェイ乗客が千畳敷カール側に出るときにはこの出入口を利用する。この出入口は
24時間解放されており、登山者が夜間にロビーに避難することも可能である。
出入口の左側(北側)の1階は宿泊客の
夕食・
朝食会場となるが、昼間のロープウェイの運行時間中は一般観光客を対象とした
レストランとして営業する。つまり、ホテルの1階部分は基本的にロープウェイ駅に付帯した観光施設となっている。ホテル客室全16室は2階にあり、階段にはホテル利用者以外は2階に立ち入らないようにとの掲示がある。ホテル内にはロープウェイ駅も含めてエレベーターやエスカレーターの設備はない。
さすがに空が青い。中央左寄りのピークが宝剣岳(2,931m)。2階北西側の客室(201~208室)と1階のレストランからはこのような千畳敷カールを一望できる。駒ヶ岳(2,956m)は宝剣岳の背後になって見えない。
写真左の斜面沿いに行けば、ほとんど高低差なしでカールの相当奥まで歩けそうに見えるが、この左斜面は雪崩のために立入禁止になっていた。そのため、カール内を散歩しようとすれば右側(ひとつ上の写真の奥側)からカールの底へ、けっこうな急勾配を下降する必要があり、私の足ではあきらめざるを得なかった。健常者であれば軽登山靴にショートスパッツ程度の装備でもカール内の散策は容易であろう。上の写真にはカール内を歩く3人組の人影が小さく写っている。
手前の地上レベルが地下1階で、大浴場がある。2階客室209~216室はこちら側にあり、下記のように南アルプスの展望が開けている。多くの宿泊者は北西側客室(201~208室)からのカールの展望を望むかもしれないが、カール側の眺望は稜線が間近に迫り、かなり圧迫感があるともいえるから、この南東側の客室からの開けた景観(次の写真)と比較して優劣つけがたいだろう。
北(左)から北岳、間ノ岳、中央付近に農鳥岳、右端のピークが塩見岳。写真ではわかりにくいが、農鳥岳と塩見岳の中間には富士山が山頂をのぞかせている。実際の視界では、北は甲斐駒ヶ岳、仙丈ケ岳から南は荒川岳、赤石岳まで、南アルプスのほぼ全域を
一望のもとに収める。双眼鏡を持参すると大変に楽しいと思う。
手前は駒ヶ根市内であるが、夜景を期待してはならない。この写真はホテル地下1階レベルの地上から撮影したものであり、2階客室からの展望では、送電鉄塔は全く問題にならないであろう。
201号室と202号室は特別室である。何が特別であるかというと、広さが10畳(定員6名)であることと、
バス・トイレユニットが付属していることである。HPでは公称12.5畳となっているが、これは板敷の縁側等を含めた面積だろう。特別室は2部屋とも千畳敷カール側にあるが、
窓外には1階テラスの屋根があって、冬季には
窓が開閉できないほどに雪に埋もれてしまう。窓からのカールの展望は
レストランの上にある普通室の方が良好だろう。
普通室としては8畳間(公称10畳、定員5名)が5部屋、6畳間(公称8畳、定員4名)が9部屋ある。208号室と209号室(ともに定員5名)は角部屋で、特に展望が優れていると思われる。